20代半ばの青年。本作の主人公。 自己主張が少なく、執着も薄い淡々とした性格。 その他性癖・能力・倫理観共に取り立てて特筆すべき部分はなく、ごく一般的。 偶然手に入れた手記を頼りに来待村にたどり着いたことで、来訪神『御廻様』として迎えられる。 過去、大学で宗教学を専攻。民俗学に関心が強く、村の風習に驚きながらも理解を示そうとする。
真面目で心優しい実直な性格の美少女。 村長家の娘として真剣に村を思い、しきたりに従いつつも、女性が虐げられがちな村の風習に違和感を抱いている。 祭りの『嫁』候補であり、二十年に一度となる今年の祭りで『御廻様』に捧げるため、純潔を守っている。
長い黒髪と真っ白な顔をした人形のように美しい少女。 村の実質的な支配者である巫女の一族の娘。 柔らかな口調で笑顔を絶やさず、落ち着いた態度を崩さない。 祭りの『嫁』候補であり、二十年に一度となる今年の祭りで『御廻様』に捧げるため、純潔を守っている。
主人公の世話役の一人となる使用人の少女。 どんな命令にも従うように育てられ、村の女の中でも最底辺の奴隷のような扱いを受けている。 気弱でおとなしく、常に他人の顔色をうかがい、虐待に怯えている。
稀世良の母親。 村の神事を取り仕切る大巫女として、実質的な支配力を持つ。余裕のある物腰の妖艶で謎めいた美女。
十子の母親。前村長の後妻。 勝気で口達者な美女。 実の娘である十子に村の実権を握らせたいと考え、その姿勢を隠そうとしない。
庄三の妻。 細身で背が高く、伏し目がち。物静かな暗い雰囲気の美女。
十子の異母兄。 病身の父に代わり村長を務めている。快活で屈託のない体育会系の頼もしい男。
稀世良の父親。 口数が少なく、いつも不機嫌そうな男。あまり外に出ず、書斎に閉じこもっていることが多い。
田儀家の当主。 永見家と阿式家の補佐を務めている。恰幅が良く陽気な中年。
村はずれに住む老婆。 汚い身なりで、わけのわからないことを言いながら村を徘徊している。